2019年版・自宅デモ音源制作環境構築ガイド
最近お手伝いさせていただいております音ごはんのもともとこさんより、
メンバー以外の第三者に聴かせられる、コンペなどを想定したちゃんとしたデモ楽曲の歌を、
自宅でパソコンを利用して録音したいが、マイクなどを揃えたほうがよいか?
という相談を受けました。
現在はスマホの録音機能を利用しているがクオリティ面で不安があるようです。
確かにスマホの録音もなかなかの品質だとは思うのですが、流石に外部マイクなどを使った録音にはかないません。
私自身は15年ほど前に揃えたDAW(Digital Audio Workstation と呼ばれる楽曲制作用アプリケーション)システムを未だにバージョンアップすることもなく使い続けており、新情報に疎くなっていることもありますので、キャッチアップの意味も含めて、調査してみることにしました。
結果、こんな感じにまとめることができました。
- ①梅コース 「歌を良い音で簡単に録音したい!」というUSBマイク(オーディオインターフェース一体型)
- ②竹コース 「マイクは今までのものも活用し、ネットの生放送も充実させたい!」というオーディオインターフェース+マイクの組み合わせ
- ③松コース 「歌はもちろん、バンドの一発録りも気軽にやりたい」というMTR兼オーディオインターフェースとマイクの組み合わせ
またスマートフォンはAndroid,PCはWindowsを想定しています。
それぞれを細かく見ていきましょう。
①梅コース USBマイク(オーディオインターフェース一体型)
予算:5000円~15000円
一番簡単なのはUSBマイクという、マイクを直接パソコンのUSB接続端子に接続するだけのタイプのようです。
今はこういう便利なものがあるんですねー!
全体を図にすると、このようになります。
マイクとPCをUSBケーブルでつなぐだけ。非常にシンプルですね。
オススメとしては、ベリンガーなどが安価かつ、評価も良さそうです。
BEHRINGER C-1U
こちらのマイクをUSB端子に接続し、「PreSonus Studio One Prime」などのフリーDAWをインストールすれば、すぐにPCを利用した多重録音が開始できるでしょう。
Studio Oneは音質が良いと評判のDAWですし、無料版でも録音品質の差はないようですので、間違いは無いと思います。
他のフリーDAWの選択肢としては、Windows用DAWとしてかつてCubaseとシェアを二分していたCakewalk Sonarが現在は無料で提供されているので、こちらを利用してもいいかもしれません。
SONARの利点はなんといってもLexiconのリバーブが使えるところではないでしょうか。
個人的には音楽学校メーザーハウスの師匠の自宅スタジオにお伺いした際、Lexicon のリバーブの気持ちいいかかり具合に感動した思い出がありますので、このためだけにSONARを利用する価値はあると思っています。
また、PCの代わりに、スマートフォン(Android)でも、下記のようなアプリをインストールし、マイクとスマートフォンをUSBケーブルで接続すれば、PCと同等の高音質で録音ができそうです。
USB Audio Recorder PRO
②竹コース オーディオインターフェース+マイクの組み合わせ
予算:15000~30000円前後
- 現在すでに、何本かマイクを持っているようなので、マイクはこれらを活用したい
- 歌の録音にプラスして、楽器の音も別トラックに同時に録音したい
などの用途にも柔軟に対応出来るシステムです。
オーディオインターフェース
USBオーディオインターフェースであれば何でも良いかとは思うのですが、
もともとこさんは音ごはんのツイキャスライブ配信などを行っているため、その用途でも便利に使えそうなものが良さそうです。
次回「音ごはん」ツイキャスライブ配信は「1/13」5周年記念だそうです!是非是非チェックしてみてください!
また、オーディオインターフェースには買ってすぐ使えるようにDAWがバンドルされていることが多いのですが、Cubaseが同梱されているものが良いのかなと思っております。
理由としては、周りにCubaseを利用している人が多いからです。
普段からミックスや音響を依頼しているというエンジニアのパンジー関さん、そして私も、Cubaseを使っています。
周りに使っている人が多いという事は、不明点を質問できたり、Cubaseプロジェクトファイル形式のまま共有ができたりと、メリットが多いと考えられます。
以上の点から、下記をイチオシとさせていただきました!
YAMAHA ( ヤマハ ) / AG03
これの優れているところは、Ch.1,2の歌、楽器に加え、接続されたPCの音声もミックスして出力することができる点です。
ライブ配信で絶対重宝する機能ですね。
そしてこちらの機材には、DAWとしてCubase の入門版が付いてきます。入門版とはいえ十分に使えるものではありますが、トラック数に制限があるというのはクリエイティビティを大きく損なうので、そこはなんとかしてほしいものです。
ちなみにStudio OneやSONARといった競合DAWは無料版もトラック数の制限はありません。
自宅でのボーカル録音用のマイクについて
取扱いが楽で元気な音が録れるダイナミックマイクと取扱方法・録音結果ともに繊細なコンデンサーマイクの二種類に大別できます。
ダイナミックマイクはボーカル用のSHURE ( シュアー ) / SM58,楽器用のSHURE ( シュアー ) / SM57が不動の超定番で、私も仮歌入れなどに活用しております。
頑丈で単純な構造なため取扱もラクですが反面、繊細な音まではキャッチしてくれません。
ロックなどには大変適するのですが、特に女性ボーカルの場合、コンデンサーマイクの方がオススメかと思います。
コンデンサーマイクは自分は最近の機種は試したことがないのですが、安価でも品質の高いものも多いようなので、
YouTubeなどで音質の比較動画なども参考に、気に入ったものを選択すればよいかと思います。
定番のRODE NT1を始め、ベリンガーやMXLからも低価格ながら品質が高いコンデンサーマイクが出ているようです。
以下に、比較対象になるであろう機種を3つほど挙げさせていただきました。
RODE / NT1-A
BEHRINGER / B-1
MXL / V67G
ここでは定番の地位を獲得している「RODE NT1」をイチオシとさせていただきます。
③松コース バンド一発録りにも対応したオーディオインターフェースとマイクの組み合わせ
予算:55000~75000円前後
自宅でのデモのみならず、バンドの一発録りなどにも対応できるシステムになります。
ちょっと場所はとってしまいますが、単体で12chの入力をそれぞれ個別に録音できるレコーダーとして使え、またPCとつないでオーディオインターフェースとしても使えるモデルになります。
この「ZOOM ( ズーム ) / LiveTrak L-12デジタルミキサー」は、5つのヘッドホンアウトがついていて、最大五人までのバンドメンバーがヘッドホンを着用しながら録音することができるなど、バンド録音に特化した機能を備えており、バンドでわいわい楽しく使えそうな機材です。
また、この製品には付属のDAWとしてPro Tools Firstというプロの現場でデファクトスタンダードとなっているDAW「Pro Tools」の入門版がバンドルされていますので、PC録音時の音質はお墨付きといえそうです。
本番のレコーディング用途としてはもちろん、リハーサルなどでも気軽にバンド一発撮り→ささっとミックスを整え、YouTubeなどで発表する、などの使い方も面白いかもしれません。
ZOOM ( ズーム ) / LiveTrak L-12 デジタルミキサー
松コースのマイクについては、竹コースで説明済のため、割愛させていただきます。
以上、いかがでしたでしょうか?
少しでも、もとこさん、そしてPCでの宅録にチャレンジしてみたいという方の参考になれば幸いです。