私が10代から20代にかけて長い時間を過ごしたのは東京・西多摩エリアです。
そんな環境でしたので、ボーイスカウトに参加していた小・中学生の頃、よく出かけたのは青梅〜奥多摩のハイキングです。
高水三山、日の出山・御岳山、といった入門向けの山から、鷹ノ巣山、最終的に東京最高峰である雲取山まで登りました。
その頃のことを、40代後半になった今になって懐かしく思い出し、また奥多摩を中心に、息子を連れて、あるいは一人で、あるいは登山好きの方と一緒に、山歩きに出掛けております。
始めてみると、登山にはいろいろな効用があることに気づきました。以下に挙げてみましょう。
リフレッシュの手段
私が働くIT業界はそれなりにストレスフルな世界です。そんな業界に身を置くものとして、山登りは、リフレッシュの手段として、ちょっとこれ以上のものは考えられないのでは、と思えるほどの効果があります。
都心から少し離れた大自然の中を歩き、汗を流し、コーヒーを淹れ、食事をする。また歩く。こうした行動から、肉体的にも精神的にも、たくさんのエネルギーをもらえます。
ビジネスパーソンとして必要な、5つの力を養うことができる
計画力
山に登るには、山行計画を立てる必要があります。また、各登山工程で考えられるリスクやTODOをシミュレーションし、持ち物リストを作成する必要があります。その際、なんでも持っていけば良いわけではなく、なるべく荷物を軽量化するために、必要最小限に切り詰める必要があります。ここで、目的に応じて要るもの・要らないものを取捨選択する力が養えます。
実行力
計画を立てて、家族に安全であることをしっかりとプレゼンし、安心して送り出してもらえるように配慮する。
リスクマネジメントをしっかり行い、実施の承認を得る。こういった根回しの力はビジネスや他のアクティビティでも大いに役に立ちます。
完遂力
これはズバリ、計画を遂行し切る力、です。高い山に挑戦するときは、事前からトレーニングを行い、体力をベースアップしておく。一度山に入ったら、めげずに山頂まで登り抜く。下山においても、計画通りに、最後まで歩き抜く。こうして、より難易度の高い山に挑戦し、一個一個完遂していき、経験値を上げ、自信をつける。
再び山に登るようになってこうした多少のことではめげない力が増したように感じます。
判断力
山登りでは、天候や自分の体力等の状況に応じて、登るべきか、降りるべきか、コースを変更すべきか?の判断が必要になります。
こうした、命にも関わる可能性がある重要な判断をその場その場で行う実践を通じて、判断力が培われます。
体力
実は一番恩恵に預かっているのはこの効能かもしれません。剣道の稽古に行き、助言を受けるのですが、山を始めてから、助言の内容が大きく変わりました。
例えば、
「スタミナがあるから疲れる面打ちを練習したらいい」とか
「腕力があるからもう少し腕を相手の面が見えるくらい上げたほうがいい」
といった具合です。
「スタミナがある」「腕力がある」これらは、それまで一度も言われた事がないような事で、大変驚きました。
と同時に、登山の効果を一番感じられた瞬間でもありました。
千メートル以上程度の山に麓から登ると、早朝から夕方まで1日中、10時間以上も歩くことになります。
日常生活でこんなに長時間、運動をする機会はなかなかありません。
また、一度山に入ると、必ず戻らなければならず、途中でやめるわけにもいきません。
そのため、普段なら疲れて辞めてしまうような疲労度の時でも、頑張って歩き続ける必要があります。
例えが悪いですが、いわば山の中というシチュエーションが、矯正ギプスのような役割を果たすのです。
結果的に、体力が大幅にベースアップすることになります。
この効能は、もっと語られてもいい気がします。